アベレージサーファーによる”REALインプレ”、JC TR-D (Shane Dorian’s)

「アベレージサーファーによるREALインプレ・・・プロが乗ってうまく乗れるのは当たり前。アベレージサーファーが乗ってからこそ判るほんとうの良さ・・・」

これまではJCサーフボードの小波マシン”enabler”のインプレを何回か書いてきましたが、今回は快楽追及型モデルの一つであるTR-Dに迫ってみたいとおもいます。enablerばかりでは読んでる皆さんもそろそろ飽きてきたんでは?という声がスタッフのなかから上がり(笑)、今回は日本の夏にぴったりのモデルをご紹介します。ただし、先に言っときますが、今回使用するTR-DはJC Hawaiiの長年のライダーであるシェーン・ドリアンのもので、わたし用に作られたものではないということを念頭においてお読みください。ほかのモデルでインプレをやったら?ということになったとき、たまたま工場の壁に今回使用したシェーンが使ってたTR-Dが飾ってあり、それをジョン・カーパーが、これでいいんじゃない?と手渡され、いざププケアの小波でテストする次第となったわけです。前置きはこのぐらいにして、本題に(笑)。

まず簡単にTR-Dというモデルについて。見た目は単純な丸っこいよくあるオルタナ系のデザインなんですが、このモデルをデザインするにあたってジョン・カーパー氏は最新のシェイピング工学の知識と経験を注ぎこんで、この形に落ち着きました。よって「ただのノーズの丸いサーフボード」ではなく、世界最高峰のボードビルディングのノウハウを注ぎこんで小さな波でパフォーマンスできるボードを追求したら、たまたまこんなデザインになったというわけです。ディメンション的にもノーズの幅以外は、ほぼ小波マシンのenablerに近く、どちらかというとタグバーガーやフライングフィッシュのようなオルタナ系のモデルとハイパフォーマンスなスタンダードショートのenablerとの接点にあるモデルがTR-Dです。スタンダードショートとオルタナ系の長所を兼ねそろえたスーパーモデルというわけです。詳しくは、サーフスカウトハワイの解説をお読みください。

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上の写真はウェブサイト用に撮ったもので、実際に使ったボードではありません。実際に使ったシェーン・ドリアンの中古TR-Dは、5’6”x 18.65″x 2.25″ という数値でした。当社ウェブサイトの「おすすめサイズ表」をみると、体重74キロの私の理想的なサイズは5’7”x 19.25″x 2 7/16″ ですから、全体的にボリュームが足りてないということです。ですが、中古なのにプロ仕様のボードは軽く、レールもシェーン用に薄くしてあり、ボード全体から発している攻撃的なフォルムに刺激されてこちらも心躍る(笑)。なんつったって、ビラボン、REEF、モンスターってスポンサーのステッカーがいっぱい貼ってあるわけですから、みっともないサーフィンはしちゃアカンぞ!と自分に言い聞かせ海に向かいました。あはは。

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実際に海にはいってパドルしたかんじは、実にスムース。浮力が足りないといった印象はなく、テイクオフもすんなりとできた。やはりあの幅広なノーズがパドリングやテイクオフにかなり貢献してるとおもわれます。幅が広いノーズだとなんか前が重くて刺さるようなイメージがあるけど、パーリングしそうな気配もまったくなく、なんら普通のショートボードと変わらない感覚でテイクオフ。

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スピードはどうかというと、ものすごく速い。アップスンが得意じゃない私でもクイクイ板を動かしてそれがスピードにつながっていく。「なぜ」速いのかは解らないが、加速するのが容易で、そのスピードをボトムからトップまで持続させるのも問題ない。たまに足の裏にサーフボードがあるのを忘れるぐらい軽かった。それはボードの重さのことではなく、マジックカーペットを操ってるようなサーフボードに乗ってることを忘れてしまうような軽さであった。

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ボトムターンもいい感じ。ただサイズの大きいセットの波に乗ると若干ルースなときもあった。まあフィンのセットアップがクアッドであるので、それぐらいは普通であろう。

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ボトムからトップに上がる際もスピードをロスしたり、垂直に上がっていくのを拒んだりすることもなく、非常に乗りやすい素直な印象をうけた。

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テスト会場になったノースのププケアというとこは、非常に浅い棚のようなリーフの上で割れるセクションがあったりしてホレホレなのだが、そんなとこでもレールが引っ掛かったりして「変な落ち方」をすることもなかった。逆にビーチから向かってくるバックウオッシュもうまく手なづけてしまい、あらためて扱いやすさに感心。いいボードにできあがってる。

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ちょっとスピードが足りない感があるが(汗)、小波でのカットバックもお手のもの。

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なんちゃってチューブもブリブリ~(笑)本人はがっぽりチューブに入ってるつもり~!きゃはは!

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これは緩慢なところでのターンなのだが、板の返しはすこぶるいい感触を得た。テールがほどよく沈み、ホレホレのセクションなどでレイバックなどしたらばっちり板を蹴りだせるような気がした。それが実際にできるかは乗り手次第なのだが。(すみません、自分で実践できなくて・・・笑)

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次の写真みていただきたい。蹴りだし感はものすごくいい。もっとサイズのある波で思いっきり当て込んでみたいと欲がでた。それと自分の体重と技量に合ったTR-Dに乗りたいとも思った。板がプロ仕様に軽く出来上がってるうえに、シェーン用に細め、薄め、短めである。なんしろ体積が足りなくて、このようなburied the railどころか、ボード全体が波のなかに埋まってしまった。これでスピードがでててレールが埋まっているのならサニー・ガルシアのようなパワーサーフィンでカッコいいが、私の場合、ここで失速である(笑)。何度かこれを繰り返し、プロ用の板は素人が乗るものじゃないと痛感。アベレージサーファーにはアベレージサーファー用のマジックボードがあるはず。それを追い求めていくのがこのブログの使命なんじゃないかと、今回はじめて気づいた。

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TR-Dはライダーが一生懸命パンプしなくともボードがスピードを生み出せる自走型である。もちろんロングボードなどに比べたらその加速度は微々たるものだが、ちょこちょこって軽く「きっかけ」をつくってあげれば、板はそのプッシュに敏感に反応する。これはビギナーのサーファーには、かなりのハイポイントじゃないだろうか。波の斜面に板を合わせてあげるだけでスタタタ・・・と走っていくのだから、がむしゃらにターンしないでもTR-Dだったらのんびりリラックスサーフィンでもいいんじゃないだろうか。

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TR-Dは初心者からプロまで楽しめる万能デザインです。オルタナ系のボードでハイパフォーマンスな動きをしたいという欲張りなお方にぴったり。夏になると人気のサマーボードです!