アベレージサーファーによる”REALインプレ”、JC THUG BURGER, enabler, and FLYING FISH

「アベレージサーファーによるREALインプレ・・・プロが乗っていいのは当たり前。アベレージサーファーが乗ってからこそ判るほんとうの良さ・・・」  

今回のテストドライブは、「9月のノースに風波がNEから回り込んできてるので、ちょっくら小波用のボードをテストしてみようか」という軽い気持ちで、日本から来ていたゲストとジョンx2ズビーチに。ここはかなりの確率でジョンジョン・フローレンスに遭遇することがあり、北のメーソンズロックと南のリトルビーチにはさまれたセミシークレットなポイントである。ビーチに到着すると、目の前には、なんと波・波・波・・・かなり波数多し。この日はNWからの本格的なグラウンドスウェルではなく、貿易風が吹き荒れたあとの風波のはずなのに、かなりしっかり割れている。ノースってビーチから見てるとけっこうできそうで、いざ海にはいってみると、足を踏み入れた瞬間、「あれ、ヤバっ!かなりハードそう・・・」ってショアブレイクの強烈さではじめてそのパワーに気付く。沖に向かう途中2,3発セットをくらうと、先ほどショアブレイクで認識した危機感が妄想ではなく本物であることを確信する(笑)。この日もそうであった。海に向かって右手のほうから斜めに波は入ってくる。ライトは距離がでそうで、レフトはいい感じにホレている。見てれば見てるほど、本日の板の選択はまちがいだったんじゃないかと(汗)。ほんとにノースはあなどれない。たかがトレードウィンドの風波とおもってきてみたら、ギンギンの本格派でこっちは武者震いとまらなくなってきたぁ(笑)。さすがノースです・・・。

で、今回、持っていったボード3本は(THUG BURGER, enabler, FLYING FISH)、以下の通り・・・。どれも胸以下の波でピークパフォーマンスを得られるようにスペシャルチューンされた小波専門マシンである。ボードの詳細は、HPのボード解説をチェックしていただくか、このブログのバックログのなかから探していただきたい。

THUG BURGER (5’4” x 19.88” x 2.40”)

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enabler (5’8” x 19” x 2.50”)

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FLYING FISH (5’4” x 20.35″ x 2.40″)

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↓本日のゲストを紹介しておこう。今日、お供いただいたのは、”Fin on Fin” システムで知られる Inception Hydro Dynamics社のナカネ・ヤスオさん。フィンの上に小さめのミニフィンを貼り付けることによってフィン周りの水の流れに変化を与え、これまでにはない’フリーダム感’を約束する新商品を発明したインベンター殿である。興味のある方はぜひ彼のHPを見てみるといいだろう。興味深い画期的な発明品である。(http://inception-hd.wix.com/inception )今回は、私の文章とインベンター殿のインプレッションを織り交ぜて綴っていきたいとおもう。

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↓海に向かう46歳コンビ(笑)。ご覧のとおり、私はenablerを選択し、インベンター殿は乗り慣れているフライングフィッシュを手にした。

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この日のコンディションから察すると、おそらくenablerがいちばん無難なチョイス。SD-3やTR-Xがあったらさらにベターだったのだが、あいにくenabler しかない。とりあえず私はパフォーマンス系のボードで様子をみることにした。順位をつけるとすると、この日のコンディションに向いてるのはenabler→THUG BURGER→ FLYING FISHの順ではないだろうか。タグバーガーはかなりパフォーマンスショートに近い存在で、縦の動きも難なくこなす。フライングフィッシュはどちらかというとダウンザライン系の動きが得意で、縦よりも横の動きが得意なモデルである。それとこのフライングフィッシュに付いているフィンだが、これが少し小さすぎる感がある。(futures. のRASTA QUAD)タウンではものすごく調子のいいモダンフィッシュなのだが、ホレたノースではズルズルとスライドしがちで、その原因はフィンのサイズに起因してると思われる。これはこれでフィンを換えてテストしたほうがいいかもしれない。新しい課題ができた。

↓インベンター殿は、いたくこのフライングフィッシュのアウトラインを気に入っておられ、このボードのポテンシャルについて語っておられた。下の写真からもわかるとおり、カッコよくボトムターンを決め、スタイリッシュに波の中腹で板を返していた。

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Nakane’s take on FLYING FISH(インベンター殿の見解)
全体的に丸みのあるこの”癒し系ボード”は、フラットロッカー&フラットボトムで、マルチフィンセッティングを備えたサーフボード。
そんなFlying fish 5’4にクアッドセッティングでログキャビンのピークを目指す。
カレントも強く波もパワフルで、サイズもそれなりにあるけれど、パドリングからして抜群に安定性が良いので、テクオフには何の心配も無く挑めるイイ予感(笑。
そんな気分のまま、やって来た波に3,4回パドルをすると、ボードはオートマチックに滑り出して行く、、
すると、1~2秒位あろうか?余裕あるテイクオフの次の瞬間、僕とボードはまるでパントマイムしたかの様にボトムに降りる、、
5’4という、短いボトムコンツアーが繰り出す”ドロップマジック”…
この一見、”癒し系ボード”のFlying fish 5’4のポテンシャルは計り知れない、、それはまさに、「羊の皮を被った狼ちゃん、、」だけど、このパワーとサイズの波で、何とかボトムターンを成功させても、その加速後の、”暴れ(ルース性)”を抑えるのが困難なのは致し方ない、、
しかし、フィンセッティングによっては、6ft代位のボードの安定性とドライブ性を得ることができるかもしれない…。
それは、直感的ですが、今日の様なそれなりのコンディションにおいては、シングルスタビライザーのセッティング(センターフィンプラグをロングボード用のボックスに変更して、ロングボード用のティップの細いセンターフィンを装着し、サイドフィンはクアッドフィンのフロントのまま)にすれば、今日の様なコンディションでもマニューバーサーフィングをさせてくれると思う。
そんな、”Flying fish”は、ベーシックなポテンシャルにパーフェクトさを兼ね備えたサーフボードであると同時に、波のサイズやコンディションによってフィンセッティングを的確に選べば、無限な可能性を秘めたサーフボードで、日本の波にもマッチする事は間違いない。
Flying fish は、”一粒でいくつもの美味しさが味わえる…” それをじっくりと探ってみたくなるボード。

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↓私はこのenabler(5’8″)が普段タウンで乗ってるゴートゥーボードで、サイズがあがると5’10” のSD-3や5’11” のTR-Xなどをコンディションに合わせて使い分けている。enablerとの相性はばっちりで、約1年ほど乗っているが、最近また惚れなおして可愛くてしょうがない一本である(笑)。

テイクオフは、速く・・・。

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ボトムで自然と深く傾いてくれ・・・。

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ライダーの意思に敏感に反応してくれ・・・。

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カービングはあくまでも忠実で・・・。

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スピードは申し分なく・・・。(そんなにスピード出てないが・・・笑)

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フローターも意のまま・・・。

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ときにはチーターファイブもさせてくれる・・・笑

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こんな反応のいいボードはないんじゃないだろうか。アベレージサーファーにはこの程度しかみせることができないのだが、これがプロだったらどんなことしちゃうんだろうかと妄想してしまう・・・シェーンが乗ったらどうなってしまうんだろう・・・ ひょえ~!(笑)

しいて言うなら、欠点は重さか。厚さ2.5インチというサニー親分もビックリの分厚さである(笑)。それは重くなってしまうだろう。でも、それでタウンのジャンキーウェーブに乗っているのである。ただ、これが軽かったら、もっと反応がいい敏感な動きが期待できるのか? たとえば、同じボードをヴァリアルで作ったらどうなるんだろう? そんなことをしょっちゅう考えてます(笑)。

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それにしても、今年の夏は波があった。日本もずいぶん台風きてよさそうでしたけど、ハワイも驚くほどハリケーンがたくさん接近してきて、あちこちで波があがってました。で、9月後半、波が落ち着いてきてトレードウィンドが吹き荒れはじめたんで、ああ、おわったなあってあきらめモードになっていたら、その風のおかげでノースがあがるなんて・・・わたしたちハワイ住んでる者たちは恵まれてます。神に感謝。

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enablerさん、日本のみなさんにチョーおススメのモデルです。発音は、エン・エイブラーと発音します。


↓さて、私がインプレのことを忘れて自分の板で乗りまくってたころ、インベンター殿はちゃーんと板を乗り換えてタグバーガーをテストしてくれてました。およよ・・・急にカラー写真の登場ですが、この日はあいにく曇り空で、時折太陽が顔を見せるのですが、どの写真も暗~いので、それなら白黒にしちゃえっていうことでモノクロが多くなりました。明るい写真はこのようにカラーのまま。

インベンター殿 X THUG BURGER

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Nakane’s take on THUG BURGER
一見、ダブルエンダー(前後の見境が無いような)の様なアウトラインをした”THUG BURGER ”。
控えめなシングル&ダブルコンケーブのボトムコンツアーで、マルチフィンセッティングを備えたサーフボード。
Flying fish と、レングスも同じだが、Flying fish よりも長細く直線的なアウトラインをしていて、厚みも若干薄くレール形状もダウン系。
同じコンデションの下、”THUG BURGER 5’4”で再度ログキャビンのピークを目指す(笑。
テイクオフは、Flying fish より若干パワーとタイミングを要するが、ひとたび波に落ちて行けば、 それは猛スピードに変わる。
ボトムターンは、完全にバックフット(後ろ足加重)で行うタイプのボードで、その踏み込みの力量とタイミングさえ間違わなければ、6ft 代のサーフボードかと思う程、”快楽ドライブ” が待っている(笑。
ダウン系レールは、とても波面に入れやすく、それゆえターンのキッカケも取りやすいので、Flying fish の様に特に大波用のフィンセッティングは必要なそうだが、大きめな波のコンディションにおいては、クアッドよりも、スラスターでの、よりスピーディーなサーフィングを体感してみたくさせられる、”魅力多きおてんば娘”。
きっと日本のビーチブレイクでもその”おてんば振り”を発揮する事間違いナシといった感じのサーフボード(笑。

↓テストは続きます。私はタグバーガー。インベンター殿は、enabler。

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タグバーガーの特性を一言でいうなら、「上達」である。「向上」でもいい。なんしろ自分のレベルをワンランクあげてくれる、上達マシンなのだ。波がいい日は自分が上達したような錯覚に陥るが、あれと似ている。でも、このボードの場合、いままでできなかったことが実際できるようになるので、それは「錯覚」などではなく「上達」したと言ってもいいかもしれない。ただ、スタンダードなパフォーマンスショートに戻ると、また逆戻りしてしまうのだが(汗)。これまでたどりつかなかったとこにいけ、これまで抜けられなかったセクションが抜けられるようになり、これまで上れなかったホワイトウオーターを駆け上がれるようになる。エアーだってできるようになるんじゃないかと、このボードは可能性の窓を大きく広げてくれた。

↓とりあえず、ゆるいターンで足の裏から伝わる感触を確かめる。

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↓ボトムでレールに寝かせてみたとき、とてつもない反発力を感じ、ドライブの利いたターンの伸びが快感だった。

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↓これはスピードが足りずスプレーもたいして飛んでなく、お恥ずかしいかぎりだが、ターンの感覚はパフォーマンスショートでやるターンに限りなく近かった。ワイドなテール幅(しかもダイアモンドテール)からは想像もつかないようなタイトなターンができそうである。証拠写真はないのだが、トップでの鋭角な返しも可能である。

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↓自分はタグバーガーに得体のしれない潜在能力をいま感じていて、次のセッションが楽しみでならない。これからこのカワイイ CUTE LITTLE BOARDのテストを繰り返し、みなさんにフィードバックしたいとおもう。なんしろ乗りやすいスーパーミニシモンズなのだ。

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↓この日の短いセッションが終わりに近づいてきたとき、いいサイズのセットがはいってきた。丸っこいボードから尖がったenablerに乗り換えていたインベンター殿が、迷わずそのセットにドロップ。インサイドでターンを繰り返す・・・。

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Nakane’s take on ‘enabler’(インベンター殿の見解)
モダンショートボードとして、もっとも見慣れたアウトラインをした、スラスター。
この手のボードは主にコンテストにおいてその真価を発揮する様に造られているので、加速性能やターンのし易さにかけては、この三本の中で一番優れている。
ログキャビンの大きめなピークを難なく滑り降りたかと思えば、次の瞬間サーフボードの方から、”さあ、次はどうする?どうしたい??”って聞いてくるほどレスポンスが良い、、それは、
日本はもちろん、世界中のサーファーをサーフィングに集中させてくれるという、サーフボードに一番求められるミッションを見事に叶えてくれる数少ない”優亜種”的なサーフボード、、それが、ENABLER …。

 


今回は、ふたりで書いたインプレだったので、超長編になってしまった。読者のみなさんには、最後まで読んでいただきありがとうございます。そして、この度”アベレージサーファーによるインプレ”に協力していただいたインセプションの中根氏にも感謝の気持ちを述べたい。チャレンジングなコンディションのなか何度もボード交換していただき、たいへんな思いをさせてしまった。でも、JCサーフボードの良さを解っていただけたようで、彼の発明品である”Fin on Fin”システムをすべてのJCに装着してテストしたいと申しておりました(笑)。

あろは~

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